オールうまいものノート

映画の感想メイン。読書、生活、カルチャー。

「ウィンチェスターハウス」感想/実在するトンデモ幽霊屋敷!

f:id:kasumigaseki0822:20180709222341j:plain

ホラー映画が好きなんです。

この前公開された「ウィンチェスターハウス/アメリカで最も呪われた屋敷」がめっちゃよかったので紹介します。一人でも多くのホラーファンの皆さんに見てほしい作品でしたよ!

 

監督は「デイブレイカー」「プリデスティネーション」のスピエリッグ兄弟です。この監督の名前や作品タイトルを見ただけで興味津々の人も多いんじゃないでしょうか。

去年の「ソウ・レガシー」がダメだったからな~……」って人も安心してください。「よく思い出したら「ソウ・レガシー」も良作だったかも……?」って評価が覆るくらいに「ウィンチェスターハウス」が良作でしたから。

あ、私は「ソウ・レガシー」好きですよ!ホントですよ!

 

「ウィンチェスターハウス」は超面白い設定の実話である

f:id:kasumigaseki0822:20180709222651j:plain

まず、「ウィンチェスターハウス」で一番特筆すべきポイントは、「これが実在の話である」というところでしょう。舞台となる幽霊屋敷は実際にカリフォルニア州に存在していて、現在も心霊スポットとして名高いそうですよ。

 

その実在する幽霊屋敷に住んでいたのはサラ・ウィンチェスターという未亡人の女性です。彼女は、亡くなった夫から「ウィンチェスター銃」の会社を相続した人物でもあります。

不幸にも夫と娘を失ったサラは、二人の死の原因が「ウィンチェスター銃によって殺された亡霊たちの呪い」だと信じています。

実際にその銃をビジネスに利用したのはサラではありません。彼女の夫です。しかし亡霊たちの恨みは強く、夫が死んだあともサラたちウィンチェスター家を皆殺しにしようとしているのです。その亡霊たちを癒し、弔い、時には封印するために、サラは屋敷の増築を繰り返します。24時間365日、屋敷の周りには建築士や作業員がうろついているのはそのためなんです。

 

そして、映画「ウィンチェスターハウス」の主人公は、精神科医のプライス先生。彼は、亡霊の妄想に取りつかれた(?)サラの精神鑑定を行うために、その幽霊屋敷に行くことになってしまいます。

どうですか、めっちゃ面白そうな設定だと思いませんか。しかもこれ、実話ですよ。

 

「ウィンチェスターハウス」名キャラクターの家主・サラ

f:id:kasumigaseki0822:20180709223011j:plain

呪われた幽霊屋敷の家主であるサラを演じるのは、オスカー女優でもあるヘレン・ミレンです。彼女がスピエリッグ兄弟の過去作「プリデスティネーション」を見て、「彼らの映画に出たい」と熱望したことから、今回の出演が実現したようです。

サラは、精神異常者ではないか?と自らが所有する会社の役員に疑われ、精神鑑定にかけられる上に、とてつもない数の亡霊に狙われています。しかし、常に毅然とした態度を崩しません。この「ただ者ではない存在感」が、実話なのに現実味のない物語に、説得力を与えていたと思います。

 

サラ、常に喪服を着ているんですよね。序盤の会話からてっきり死んだ夫と娘のために、未だに喪に付しているのかと思ったんですが、違いました。

次から次に死人が押し寄せてくるから、ずっと喪服を着てるしかないんですね。おそらく何度も命の危険にさらされたであろう、彼女の人生に思いをはせてしまうのは、ヘレンミレンの名演技あってこそだと思います。

 

「ウィンチェスターハウス」主人公プライス先生もいいぞ

f:id:kasumigaseki0822:20180709223204j:plain

サラはかなり印象に残る名キャラクターですが、ジェイソン・クラーク演じる主人公プライス先生も良いキャラしてました。

ホラー映画において、主人公のスタンスや過去のトラウマって、かなり重要なんですよね。その人が怖い目に遭う理由があるのかないのか、その人はどれだけ怖がるのか、果たして脅威に立ち向かうのか。こういった主人公の行動原理が、ホラー映画の「怖さ」にダイレクトにかかわってくると思います。

 

たとえば以下の2つの設定を見てください。

  • なんにも悪いことしていない人が理不尽に呪われるホラー
  • 何十人も殺した大悪人が呪われるホラー

これだと、「怖さ」が全然違ってきませんか。

この2つの例で言うと、1つ目は自分にも降りかかってくるかもしれない「無差別さ」が怖さを盛り上げるかもしれません。一方2つ目は、主人公の犯した罪自体の恐ろしさや、それに対する被害者の恨みの強さのリアリティーが、より恐怖を煽るかもしれないですね。

 

その点このプライス先生には、襲われる理由は一見なんにもないわけです。

亡霊たちは自分を殺した銃を作った一族に対する恨みを持っています。でもプライス先生は一族の一員ではないし、たまたま屋敷にやってきただけの、ほぼ関係ない人です。

そんな彼が屋敷の怪異に巻き込まれてしまう。これは「理不尽さ」「無差別さ」という怖さを感じる展開ですよね。日本のホラー映画「呪怨」のように、家に足を踏み入れただけで襲われてしまうのか……!という。

でも、終盤でプライス先生が襲われる「理由」が実はあるのだと判明します。なぜ彼だけが幽霊を見ることができるのかという、「理由」が明らかになるわけです。(私は途中まで「霊感が強いからか?」なんて思っていたんですが……)そして、その「理由」がいいんですよ!

この映画では、実在する幽霊屋敷をただ描くだけでなく、主人公であるプライス先生の内面がしっかり掘り下げられています。彼は怪奇体験を通じて成長するのです。

 

ああ~思い返せば思い返すほどよかったな~~~。

あの巧妙に配置されたヒントの数々。それがつながった瞬間は、まっすぐに感動してしまいました。「3分」とか「記念品」とかね。「さすがプリデスティネーションの監督だな~」と実感しましたよ。

 

あと、プライス先生はちょっとおちゃめでホラー映画の主人公っぽくないところも好きですね。(壁に頭ぶつけたりとか詐欺師っぽいことしたりとかローラースケートに笑ったり)

ホラー映画は序盤で観客を安心させればさせるほど、怖いシーンとのギャップが大きくなって面白くなるんですけど、それもうまくいってたと思います。

 

「ウィンチェスターハウス」の印象に残ったところ列挙します

f:id:kasumigaseki0822:20180709223916j:plain

サラの姪役は「プリデスティネーション」のあの人!

スピエリッグ兄弟監督作つながりで「プリデスティネーション」にも出ていたサラ・スヌークが出てます。この人の顔も良かったなあ。

 

パッと手に持った武器がすごい役立つ

クライマックスのある出来事が起こってから、プライス先生が2つ武器を手にするんですけど、これが2つともめっちゃ役に立つんですよね。

ちなみにハンマーと斧なんですけど。敵を倒すだけじゃなく別のところでも大活躍してましたよね。

どの武器を持たせるかって、ホラー映画の演出としてすごく大事だと思うんですが、実用的かつ合理的なチョイスでよかったです。好きです。

 

すごく安心感のある良い脇役

脇役もよかったですね。

具体的に言うと、建築士のすごいモミアゲのおじさんと、執事のおいちゃんに安心させられました。

  • ちょっとコミカルに銃を構えるモミアゲのおじさん。(味方)
  • 幽霊なんか全然信じてない執事のおいちゃん。(味方)

いいじゃんいいじゃん!

 

そもそもホラー映画の登場人物ってやつは、一人で行動しすぎなんですよ。集団で行動したほうが、物語や尺的に生き残れる可能性上がるだろって毎回思うんですが!

このすごく好感の持てる脇役たちを、死亡フラグたってる……と思いながら見てましたが、まさかあんなことになるなんてね……。2人がどうなったかは是非映画をご覧ください……。

 

幽霊屋敷の周りに常に人がいっぱいいるのがいい

これは、上にも書いた「安心感とのギャップが怖い」という話にもつながるんですが。

ずーーっと増築を続けている都合上、この映画の舞台となる幽霊屋敷の周りには、常に何十人もの作業員がうろついているわけです。さらには、富豪の豪邸なので屋敷内に使用人もいっぱいいるんですね。

でも、それでホラー的に怖さが減るかっていうと、そんなことはないんです。むしろ、人がいっぱいいる空間からふと静かな誰もいない空間に飛び込んでしまった時の静寂が冴える。

あそこ、怖かったですね。ナゾの塞がれた階段。

大方、元はふつうの階段だったのを、何かヤバいもんを封印するために塞いだんだろ!と思ったんですが、そんなことはなかったですね。結果的にそれっぽくはなってましたけど。ただ単に増築しすぎて変な間取りになっているだけでしょうね、あれ笑

 

「ウィンチェスターハウス」おすすめです!

f:id:kasumigaseki0822:20180709225231j:plain

というわけで、よかったところを挙げてくとほんとにキリがないくらい、デティールたっぷりのアトラクションみたいなホラー映画でした。ストーリーもしっかりしてるし、役者陣の威厳も感じられるおすすめの作品です。

「面白いホラー映画」に餓えてる人にはぜひ見に行ってほしいです。結構「ギャッ!」ともなるので、あんまり飛び上がらないようにお気をつけて笑

私は跳びはねてしまいましたけど……。