たたかうたぬき

映画の感想メイン。読書、生活、カルチャー。

4月公開予定の映画で楽しみにしているもの14選+3月鑑賞報告

ビューティフルボーイポスター

 
こんにちは。たぬき(@tada11110)です。

正真正銘、今月で平成が終わりますね。

切り替わりのタイミングや、年号変更への政府の対応など疑問は残りますが、それでも新しい時代の始まりに気持ちが高まってしまいます。

 

また、今月は平成の終わりであるとともに、長く続いたMCU(マーベルシネマティックユニバース)が区切りを迎える月でもあります。

私たちをとんでもない気分にさせたあの「インフィニティウォー」から一年。

果たして、全てのストーンを手にして隠居中のラスボス・サノスに、アベンジャーズはどう立ち向かうのでしょうか。

 

月後半にそんな一大イベントが待ち構え、しかも公開直後から天皇退位に伴う10連休がスタートするということで、今から平常心ではいられなそうです。ワクワク。

では、今月の見たい映画を14本紹介していきます。

 

4月公開予定の見たい映画14選

【5日】バイス

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ま、まさかこれがクリスチャン・ベール……!?

これまで、役作りのために幾度となく肉体改造を行ってきたことで有名なクリスチャン・ベールですが、今回は特に面影が消滅するほどの大変身ですね。

20kgの増量に加え、髪を剃り眉毛を脱色して、ディック・チェイニーというかつての副大統領を演じます。

 

ディック・チェイニーは、"ブッシュ政権で最も権力を手にした副大統領"と言われていて、イラク戦争を進言したのもこの人なんだとか。

ウィキペディアで来歴を読むと、なんとも野心の強そうな政治家だとわかります。

第一次安倍内閣の頃に来日して、安倍さんと会談したりもしてるみたい。

 

ちなみにご本人のお写真はこちら。


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お、おお?

クリスチャンベールよりむしろイケオジな気が……。

 

そして今作は主演だけでなく、他の出演者たちも役作りに気合いが入っています。

フォックスキャッチャー」「バトルオブザセクシーズ」のティーブ・カレル、「魔法にかけられて」「メッセージ」のエイミー・アダムス、「スリービルボード」「月に囚われた男」のサム・ロックウェル……全員別人みたいですね。

今調べて知ったんですが、サムロックウェルはブッシュ大統領を演じるんですねw

 

製作陣には、ド派手な金融エンターテイメントを見せてくれた2015年「マネーショート」のメンバーが再集結。

ということで、監督&脚本にはアダム・マッケイ。

クリスチャン・ベールとスティーブ・カレルも続投。

それから引き続きブラピが製作陣に名を連ねてます。

 

前作に作風が近くなるとしたら、ディックチェイニーや関連人物のウィキペディアを読んでから見に行った方がいいかもしれませんね。

「マネーショート」のときも、アダムマッケイ脚本のテンポが良すぎるために、「理解が難しいから"空売り"について勉強してから見に行った方がいいよ!」って情報が回ってたので。

 

「マネーショート」はスティーブカレルさんによるラストの演技が印象的で好きですし、今作はアカデミー賞ノミネート作品でもあるので、かなり期待して見に行きたいと思います。

 

【5日】孤独なふりした世界で

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今年「未体験ゾーンの映画たち」で上映される作品の中で、ダントツ気になったのがこの「孤独なふりした世界で」です。

見たい理由は完全なる"ジャケ買い"です。

まず、「ネオンデーモン」「メアリーの総て」のエル・ファニングと、「スリービルボード」「アベンジャーズ インフィニティウォー」のピーター・ディンクレイジのツーショットからして惹かれます。

さらにタイトル、コピー、全体の幻想的な色合いなどすべてが魅力的。

詳細を知らずに映画館へ飛び込んでも、損しないだろうなと期待できるポスタービジュアルですね。

 

ストーリーを見てみると、

多くの人類が滅亡した終末の世界を舞台に、孤独を愛する男と孤独を嫌う女が出会ったことから生まれる物語を描いたSFファンタジードラマ。

おお、期待通り面白そう。

 

ディストピアものは、文明が荒廃し現代のインフラがすべて使えなくなった状態で、登場人物たちがどう生命維持していくのか、ひいては生きることの意義をどう見いだしていくのかが、鑑賞ポイントだと思います。

あらすじを読むに、多くの人類が滅亡してからしばらく時が過ぎた後の話みたいなので、登場する二人が、どんな自分なりの"日常生活"を確立しているかを見るのが最初の楽しみです。

 

そして、物語が進んでいくにつれこの二人がどんな関係性を築き、それがどう決着するのか。

見る前からほんのりバッドエンドの香りがするというか、そもそも最初からバッドエンドの以外になりようもない設定なので、切なさに身を焦がす覚悟をしていきたいと思います……!

 

【12日】名探偵コナン 紺青の拳

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コナンの映画は年々盛り上がりを増していて、特に前作「ゼロの執行人」は興行収入92億円を突破し、2019年の日本公開映画全体では「コードブルー」に続き、第2位にランクインしました。

「ゼロの執行人」に登場する"安室透"という人気キャラクターの名前がそこかしこで取り上げられ、社会現象にまでなったというのも記憶に新しいと思います。

"安室"って苗字の印鑑が流行ったり、多くの女性ファンが"安室の女"と名乗ったり、それはもう楽しそうで、私も映画を見ることでお祭り騒ぎの一員になれて嬉しかったです。

 

コナンの映画は毎回、既存キャラのうち一人(とそのキャラに関連するキャラ)が、特別にフィーチャーされて活躍するパターンが多いです。

たとえば2017年のから紅の恋歌は、主人公・工藤新一のライバルである関西の高校生探偵・服部平次と、その恋のお相手・遠山和葉がメインの物語でした。

2016年「純黒の悪夢」は、2018年と同じく人気キャラクターの安室さんをはじめとした、"黒の組織"メインの物語だったんですよね。

一年置いてすぐにもう一度取り上げられたところから、安室さんの経済効果の高さが伺えます

 

そして23作目となる今回は、昔から根強い人気のあるお馴染み怪盗キッドと、一般の知名度は低いがファンの人気は高い「京極真」というキャラがキーパーソンになるそうです。

キッドをメインにした映画やテレビスペシャルはこれまでにもありましたが、京極さんが劇場版に登場するのは初めてのこと。

蘭の友人・園子の恋のお相手でもある京極さんは、作中ナンバーワンの理想的な男性として評価の高いキャラクターです。

彼は無敗の"最強空手家"で、園子を大切にし常に守り抜く姿は「彼女を放って危険に飛び込んでしまう男性」が多いコナン世界の中では光輝いているわけです。

まあ、強敵を求めて海外で武者修行中なので、やっぱり園子のそばにはいてくれないんですけど。

いやほんと、結婚するなら京極さんがいいと思う人は相当多いと思います。

私は毛利のおっちゃんでもいいですが 笑

 

今回の映画は、キッドと京極さんが戦うシーンも予告編で公開されていて、ファンにとっては相当テンションの上がる展開なのではないでしょうか。

しかし、強さのベクトルが全く違う二人なので、戦闘が成立するのか謎ですよね。

腕力で考えると京極さんの圧勝だろうし、超人的なギミックとか機転はキッドが上手だろうし、何にしろどんな迫力シーンが見れるのか楽しみ。

 

またもや巷に"京極の女"が溢れることになるのであろうか……そしたら私も一員になりそう。

 

【12日】魂のゆくえ

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脚本家として「タクシードライバー」などの名作に関わり、自らが監督した作品も数多く発表しているポール・シュレイダー

彼が"自分の集大成"とまで明言している「魂のゆくえ」がついに日本公開されます。

 

主演がイーサン・ホークって情報だけで、もはや名作なのは間違いない気がしてきます。

「6歳の僕が大人になるまで」「プリデスティネーション」「ガタカ」など、数々の傑作に出演してきた名優ですし、最近は是枝監督と仕事してるみたいですし……イーサンの信頼ポイントは枚挙に暇がないです。

 

今作の脚本は第91回アカデミー賞にもノミネートされており、かなり見逃せないレベル高めな作品であります。

しかも、配給元はあの「A24」です。

うわ~~「ムーンライト」とか「ヘレディタリー」とか「ア・ゴースト・ストーリー」とか、ガツンと心に響く作品をバンバン世に出してる会社ですよ。期待せざるを得ない。

 

さて、そんな話題作のあらすじを追ってみると、「信仰に疑いを抱き始める」牧師の物語のようです。

これは、2017年にマーティン・スコセッシ監督で映画化された遠藤周作「沈黙」を思い出すテーマですよね。

「沈黙」主人公のロドリゴは自分や信徒に対して理不尽に与えられる苦難を通じて神を疑い、一度はその存在を否定しかけますが、最終的には新たな信仰の境地に達します

それでは、様々な理不尽を目にした「魂のゆくえ」主人公の牧師・トラーは、一体最後に何を選択するのでしょうか。

 

ポールシュレイダーの思いが込められた作品、早く劇場に見に行きたいです。

 

【12日】ハロウィン

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1978年の「ハロウィン」公開から40年。

作中でも同じく40年の月日を経て、ブギーマンが帰ってきました。

 

ホラーファンの風上にも置けぬ事実なのですが、実は「ハロウィン」全シリーズ未見……!

ブギーマンは殺した人の顔の皮を被っているという設定しか知りません。

そもそもこれまでに何シリーズ作られているのか疑問に思って調べたところ、今作で9本目

一番新しいものは2002年公開の「ハロウィンレザレクション」なので、実に17年ぶりの新作ということになりますね。

 

先ほど"作中でも40年の月日を経て"と書きましたが、今作の主人公は1作目の「ハロウィン」で描かれた40年前の凄惨な事件で生き残った、ローリーという女性です。

これから「ハロウィン」予習の予定でしたが、ローリーが生き残るということはわかっちゃいましたね 笑

まあ、ヒロインポジの女性キャラクターなので、ある程度予測できる展開なんですけどね。

 

ローリーを演じるのが、一作目と同じ女優さんなのがすごい!

もちろん実際にも作中でも40歳年をとっているので、今作の主人公は60歳の女性なのです!!

 

ホラーをはじめ、アクションのある映画で高齢の女性が主人公を務めるのは非常に珍しいこと。

しかもこの「ハロウィン」は、全米で大ヒットを記録していて、"おばさんが主人公の映画なんて見たくないよ"というような、凝り固まった偏見を気持ちよく覆してくれます。

 

インシディアス」のイリースも大好きだし、「ウィンチェスターハウス」のヘレン・ミレンもカッコよかったし、もっとどんどん"カッコイイおばさん映画"が増えてほしい。

世の中には、カッコイイおじさんの映画ばかりでズルいです。

我々女性も、将来なりたいと思えるロールモデルを、映画やドラマの中に見つけたい。

そういう意味でも、「ハロウィン」楽しみです!

 

シリーズ全部予習してから行きたいけど、は、8本か……!

道のりは長い。見なくていい回とかあったら教えてください……。

 

 

【12日】ビューティフル・ボーイ

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君の名前で僕を呼んで」において、私たちの心に消えない切なさを刻み込んだティモシー・シャラメが、ドラッグ依存症の少年を演じた「ビューティフル・ボーイ」が公開されます。

この作品でティモシー・シャラメは、ゴールデングローブ賞アカデミー賞の助演男優部門にノミネートされ、世界から高い評価を得ています。

 

ティモシー・シャラメが「助演」で、ドラッグ依存に苦しむ少年を支えるお父さん役の、スティーブ・カレルが主演。

ティーブ・カレルさんは、かつてスラップスティックコメディ系の映画やドラマのイメージがありましたが、最近は社会派やヒューマンドラマ系の傑作によく出てますよね。

 

昨年だとバトル・オブ・ザ・セクシーズ」「30年後の同窓会どちらもすごく良かったし、「マネーショート」も魅力的な役でした。

やはり転機となったのはアカデミー主演男優賞にノミネートされた「フォックスキャッチャーでしょうか。

明るくてまぬけな男を演じるだけの俳優ではないと、世間が気づいた瞬間だったのだと思います。

今月は「バイス」もあるし、スティーブカレルファンの私にとって嬉しい4月になりそうです。

 

さて、「ビューティフル・ボーイ」は原作のある映画なのですが、ドラッグ依存症の息子とその父の視点でそれぞれ書かれた、二冊の本が元になっています。

どんどん衰弱していく息子を必死に支える父の姿を予告編で見て、これは涙を禁じえない作品だろうなと予測してます。

 

ちなみにこの映画の製作陣にもブラッド・ピットの名前が。

ブラピのプロダクションはバリー・ジェンキンス監督の「ムーンライト」や「ビールストリートの恋人たち」、前述の通りアダム・マッケイの「マネーショート」「バイス」も製作しているので、信頼のおけるスタジオと言ってさしつかえないでしょう……!

期待して見に行きます。

 

 

【12日】マローボーン家の掟

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これは完全にノーマークだったんですけど、「大脱出2」見に行ったときに予告編が流れて、絶対見に行かなきゃいけないやつだ、と確信しまして。

 

まず、ホラー映画としての世界観に期待できそうです。

タイトルにも「掟」とありますが、ポスターのキャッチコピーでも「1、この屋敷を離れてはならない……」と"やってはいけないこと"が3つまで紹介されています。

M・ナイト・シャマラン監督の「ヴィジット」ポスターとちょっと似てますね。


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ホラー宣伝あるあるなんでしょうな。

「マローボーン家の掟」のあらすじを確認すると、「掟」は全部で5つまであるみたいです。残りの2つがストーリーにどう関わってくるのか気になりますね。

 

そもそも主人公たちの身は、一体何に脅かされるのでしょうか?

悪霊? 呪い? モンスター? 殺人鬼? 

順当に考えると悪霊とか呪いでしょうけど、なかなか複雑な家庭環境に育った子供達でもあるみたいなので、"本当に怖いのは人間"系のホラーかもしれません。

全然想像がつかないからこそ、かなり楽しみですね。

 

それに、よくよく見るとネームバリューもかなり豪華な作品なんですよね。

「はじまりへの旅」で、少年から大人になる長男を演じたジョージ・マッケイ

「スプリット」「ウィッチ」でスリラー作品常連となりつつあるアニヤ=テイラー・ジョイ

Netflixオリジナルドラマ「ストレンジャー・シングス」の人気キャラクターを演じているチャーリー・ヒートン

そして「サスペリア」でヤバイくらい酷い目に遭っていたミア・ゴス。(シャイア・ラブーフの奥さんだったのか!)

見る人が見れば豪華すぎてびっくりするキャスティングだと思います。

 

しかも製作総指揮を務めるのは、J・A・バヨナ

過去作に、少年が母の死と向き合っていくシビアな展開を寓話的に描いた怪物はささやくや、"絶滅した動物は生き返らせるべきではない"と、シリーズのテーマを決定的に覆すような結論を描いたジュラシック・ワールド 炎の王国」などがあります。

まだ本数は少ないながら、見た人の心に爪痕を残すような、感情に訴えかける作品を撮っている方なので、きっと今回もただのホラーに終わらなさそうですね。楽しみ。

 

 

【19日】キングダム

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アベンジャーズエンドゲームとは別ベクトルで、今月トップクラスに期待度が高いのが「キングダム」です。

近年、漫画を実写映画化した作品は全体的にどんどんクオリティが上がってきていて、ハズレを探す方が難しくなっているほど。

正直な話、「漫画実写化と聞いたらすぐブーイング」みたいな反応は、時代についてこれていないと思ってしまいます。

私なんて、漫画原作の作品は欠かさずに鑑賞予定リストに入れて、楽しみにしています。

原作が人気作品であればあるほど、どんな出来映えになるのかワクワクするんですよ。

 

今回の原作は、紀元前245年の中国を舞台にした原泰久さんの漫画「キングダム」です。

非常にたくさんの方に愛されているベストセラー作品で、2006年に始まってから現在まで連載が続いています。

 

舞台が2250年前の中国、っていうだけで、実写映像にするのはめちゃくちゃ大変そうに思えます。

ハリウッドに比べて予算が寂しい日本映画ですから、迫力があってリアルな映像を撮るのは難しいかも……?と疑っちゃう気持ちもわかる。

それでなくとも、原作の熱いファンはやっぱり実写化には不安を覚えますよね。

好きなキャラが、好きなシーンが、台無しにされちゃったら悲しいですから。

 

でも、心配しなくても大丈夫です。

なんたって監督はあのアイアムアヒーロー」「いぬやしき」「BLEACH」の佐藤信介さんですから!

上に挙げた三作とも、原作の大事なテーマや外せない雰囲気を残しながら、エンターテイメントとして高いレベルに到達している傑作ばかり。

私としては、佐藤監督の名前を聞いた時点で、作品への期待が確信に変わるほど信頼してる人物です。

 

主演・山崎賢人さんというのも良いですね。

実写化作品常連のイメージがついてしまったせいで、巷では悪口もよく見かけましたが、まっすぐで素朴で心優しい青年を演じさせたら、今山崎さんの右に出るものはいないと思います。

まさにザ・主人公なパーソナリティーを、全身に湛えている俳優さんなんですよね。

特に昨年の「羊と鋼の森」で頭1つ抜けた印象を感じたので、それに続く主演作として楽しみな気持ちがとても強いです。

 

そして、山崎賢人さん演じる主人公・信の義兄弟役は吉沢亮さん。

もう見る前から美形でクールなキャラであろうことはわかりきってますね。

去年の「銀魂2」「BLEACH」を見て、この人は本当は二次元に生まれるべき人だったのでは? あるいは二次元を実写にするために生まれてきた人なのでは? と思うほど衝撃を受けたのをよく覚えてます。

 

本郷奏多長澤まさみ、橋本環奈、大沢たかお、他にも多くの豪華キャストが集結することや、佐藤監督の迫力アクションシーン、邦画にしては相当お金のかかった画面作りのことなどを思うと、今からもう胸がドキドキしてきます。

「実写化=悪」という風潮に対する反証となる作品が、また1つ世に出てほしいと願ってます。

 

 

【19日】ある少年の告白

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同性愛やトランスジェンダーは当然、"治る"ものではありません。

そもそも治さなければいけないと思ってしまうこと自体、性指向や性自認について何も理解していない無知な状態が引き起こした差別意識です。

特に両親が子供の性指向・性自認を治そうと働きかけることは、当事者に強い心理的ストレスを与えることになってしまうでしょう。

最悪の場合、取り返しのつかない事態を引き起こしてしまいかねません。

 

「ある少年の告白」は、最近でも実際に行われていた「同性愛・トランジェンダー矯正セラピー」について描いた作品です。

主人公のジャレッドは大学生。自分が同性愛者であることに気づき、牧師である父に打ち明けますが、その告白は受け入れてもらえず、彼は同性愛を"治す"転向療法に参加させられてしまいます。

そこで行われていることは人権を無視した到底酷いもので、憤りを感じたジャレッドが自ら行動を起こす物語のようです。

 

2016年、信じられないことにアメリカ共和党が打ち出した政策綱領の中で、映画で描かれたような矯正セラピーが推奨されていました。

明らかにトランプ政権の方針は「LGBTQ」迫害の方へと進んでいます。

この映画で描かれる惨劇は、"もう終わった出来事"などでは決してなく、"現在進行形で防がなければいけない問題"なのです。

 

そんな切実なテーマに取り組むのは、ザ・ギフト」に引き続き監督2作目のジョエル・エドガートン。もちろん出演も兼任します。

前作でも、主人公を苦しめるストーカー役で鑑賞者のトラウマに残ったと思いますが、今作はよりによって「矯正セラピー」のスタッフとして主人公を苦しめる役です。

自分が監督した映画なのに、観客に自分を憎ませたいのかと勘ぐってしまいます。

 

出演者はそのほか、主人公役に「スリー・ビルボード」「マンチェスター・バイ・ザ・シー」でモラトリアム的な演技を見せつけたルーカス・ヘッジズ

主人公の両親役にニコール・キッドマンラッセル・クロウ。「Mommy」「たかが世界の終わり」監督のグザヴィエ・ドランも出演しています。

 

アメリカにおいて、同性愛者やトランスジェンダーが迫害されるとき、要因の一つとして、宗教的価値観が存在すると思います。

では、無宗教の日本では「矯正セラピー」は起こり得ないのか?

いや、むしろ人と違う個性を持った他者を許さず、統一化を図るような日本でも起こり得ることです。

「セラピー」の実行までいかなくとも、"治すべき病"のように扱ってしまう人は、日本人にもまだ多くいるかもしれません。

 

差別や価値観の押し付けが、どう人の心を傷つけ腐らせ、人生を取り返しのつかない場所まで持っていってしまうのか、真剣に考えることは私達全員の義務です。

私は真剣に考えたい。そう思って見に行きます。

 

 

【19日】愛がなんだ

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先日友人と話していた議題は、"最近の日本映画、大抵成田凌が出演している件"について。

まあ、言うまでもなく私達が成田凌さんの出る映画ばかり見ているってだけなんですけど、それにしても多くの作品に出演されてます。

同日公開のスマホを落としただけなのに」「ビブリア古書堂の事件手帖」をはしごして見たときは、夢にまで成田凌さんが出てきそうでした。

そんな"成田凌大好きクラブ"の私と友達で「愛がなんだ」見に行く予定です。

 

原作は角田光代さん、監督は「パンとバスと二度目のハツコイ」「知らない、ふたり」の今泉力哉さんです。

共演者に「ここは退屈迎えに来て」「予兆 散歩する侵略者」の岸井ゆきのさん。

ここは退屈迎えに来て」でも成田さんと岸井さんは共演していたので、ポスタービジュアルを見てもおなじみの顔ぶれという印象が強いです。

 

あと、若葉竜也さんが出てるのにも注目したい。

「葛城事件」のアイツと、「美しい星」のアイツを演じてた、あの特徴的な役者さんです。大好きなんですよね。

そうそう、パンク侍、斬られて候」にも特徴的なアイツの役で出てました。 

もはや怖い人変な人の役に慣れすぎていて、今回普通の人の役だったら逆にびっくりしてしまうかもしれないです 笑

 

ストーリーは、アラサー女性の片想い恋愛モノ

好きになったら相手以外どうでもよくなってしまうほど恋に盲目な主人公とは対象的に、相手の男性は彼女に全く興味がなく、恋は報われる兆しはありません。

そんな時、その男性が姿を消してしまったら、主人公はどんな行動に出るのでしょうか……?

 

とにかく主演二人のビジュアルからエモさの漂う今作。

ここ最近、春休み・GW向けの大作ばかりで、しっとりした邦画に飢えているので、すごく楽しみにしています。

 

 

【19日】アガサ・クリスティー  ねじれた家

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アガサ・クリスティといえば、世界三大ミステリー作家の一人です。

アクロイド殺し」「そして誰もいなくなった」などの著作が有名で、最近だと2017年に「オリエント急行殺人事件」がケネス・ブラナー主演で映画化されました。

ジョニーデップ、デイジー・リドリーなど豪華キャストが勢揃いのド派手な映画だったので、ソフトバンクで最近までパロディされ続けてましたね 笑

 

今回、グレン・クローズ主演で映画化するのは、1949年に発表された長編39作目「ねじれた家」です。

名のある大富豪が何者かに暗殺されたところから物語は始まり、屋敷に勢揃いした親族たち全員に殺害の動機があるということが段々わかってきます。

果たして、元恋人・ソフィアに事件の解決を頼まれた私立探偵チャールズは、この謎を解き明かせるのでしょうか。

 

さて、アガサ・クリスティ自ら"最高傑作"と公言している「ねじれた家」原作のストーリーをウィキペディアで確認してみると……、主演のグレン・クローズが演じているイーディスという人物の名前は見当たりません。

映画ポスターや予告編では、私立探偵チャールズよりもむしろ彼女の方が事件の謎に興味を抱き、真実に近づいていっているように見えます。

どうやらチャールズの元恋人・ソフィアの大伯母のようですが、彼女はこの物語で一体どんなポジションを担っていくのでしょうか。

 

そう思っていろいろ設定を見てみると、チャールズが原作では外交官だとか、映画ではかなり若い男性になっているとか、ソフィアの苗字が違うとか、細かい改変点がたくさん見つかります。

原作が70年前のものなので、現代に合わせるためにいろいろ微調整したのかな。

もし、"頼りないチャールズに代わってイーディスが推理をしていくような展開なら、すごく楽しみです。

 

グレン・クローズといえば、惜しくもアカデミー主演女優賞を逃してしまいましたが、「天才作家の妻」も良かったですよね。

私立探偵チャールズ役のマックス・アイアンズは、「天才作家の妻」で父にコンプレックスを抱く頼りない息子役を演じていた方。

これから出演作どんどん増えそうなので、要注目ですね。

 

昨今なかなか王道ミステリー作品を劇場で見る機会も減ってきているので、思う存分謎解きの世界に浸りたいと思います。

オリエンタル急行殺人事件は、途中結構ウトウトしてしまい気づいたら犯人が明らかになっているという大ポカをやらかしたのですが、同じ轍は絶対に踏みません……。

見終わったら原作も読みたいと思います。

 

 

【19日】シャザム!

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アベンジャーズ」が4度目の集結を控え、「ジャスティスリーグ」のメンバー単独作が成功を収める中、初顔見せとなるのがこの「シャザム」というヒーローです。

これ、「アクアマン」に続くDCEUシリーズ最新作なんですね、知らなかった。

次回の新作は2020年公開のハーレイ・クイン主演映画「birds of prey」なので、今作公開後しばらく間が空きますね。

 

シャザムは、ポスタービジュアルにも書いてある通り"見た目はオトナ、中身はコドモ"のヒーローです。

主人公ビリーはある日、謎の魔術師から「シャザム(SHAZAM)」の6つの力を受け継ぎます。

内訳はこうです。「S=ソロモンの知力」「H=ヘラクラスの強さ」「A=アトラスのスタミナ」「Z=ゼウスのパワー」「A=アキレスの勇気」「M=マーキューリーの飛行力」の6つ。

ビリーはおそらく12、3歳くらいだと思いますが、いかにも小学生男子の好きそうなチートパワーばかりですね 笑

 

とにかく、シャザムの力を手に入れたビリーは、筋肉隆々のスーパーマンのような大人に変身し、はしゃいで力を使いまくります。

そこへガチのヴィランが彼を狙いにやってきて友達がさらわれてしまい、遊んでいる場合ではないと気づくビリー……。

って、あらすじだけで相当面白いですね!

去年のヴェノムも日本人が好きそうな漫画的展開のアメコミ映画だと思いましたが、この「シャザム」もアメコミ初心者を呼び込めるタイプの作品だと思います。

 

主演は「マイティ・ソー」シリーズで、ウォリアーズ・スリーのファンドラルを演じたザカリー・リーバイ。

塔の上のラプンツェル」で、ラプンツェルのお相手ユージーンの声を演じてる方でもありますね。

そして、ヴィランのドクター・シヴァナ役にキングスマン」のマーク・ストロング

 

死霊館」シリーズのファンとしては、監督が「アナベル 死霊人形の誕生」のデビッド・F・サンドバーグであることも、見逃せません。

 

そんな楽しみでしかない作品だったのですが、つい最近不安点が浮上してきました。

不安点とは、日本語吹き替えの監修を「勇者ヨシヒコ」「変態仮面」の福田雄一監督が担当することです。

 

福田監督の作品自体、嫌いじゃないんです。

「ヨシヒコ」は全部見たし、「銀魂」実写化は二作とも良かったし、映画ファンの間ではあまり会話に上がらない「斉木楠雄」も劇場で楽しみました。

良くも悪くも"内輪ネタ"多めの監督なので、好きな俳優たちの素の顔や、パーソナルイメージに合った演出を楽しむには最適なんですよね。

ただ、内輪に入っているような感覚に馴染めなければたぶん楽しめないし、"内輪ネタ"をやるべきでないタイミングというのも絶対あるので、諸手を上げて絶賛できるタイプの監督でもないなあと思っていたわけです。

 

そこへきて、洋画ファンが楽しみにしていたアメコミ大作の、吹き替え監修……。

ただでさえ洋画好きって、邦画にあまり良い思い出がない人が多くって、福田雄一さんの作風っていわゆる"邦画らしさ"の最たるものだと思うし、相性は最悪中の最悪。

 

まあそれでお客さんを呼び込む効果も大いにあると思うので、捉えようによってはいいのかもしれませんが……。

記者会見などで福田雄一監督が見せる、映画に対するナメた態度や失礼な言動にはさすがに辟易しました。

自分の映画でお友達自慢したりするのは全然いいと思うけれど、他人の映画を宣伝する場や盛り上げる手伝いをする場で、自己主張激しくやるのはどうなのっと……。

 

たぶん吹き替えでは鑑賞しないので、ごちゃごちゃ言っても仕方がないし、出来映えを確めようもないんですけどね。

でも、「吹き替え監修  福田雄一」って字面だけで結構キツイものがあります。

 

せっかくの、DCEU新メンバー単独作なので、それらは忘れて楽しみたいと思ってます。

 

 

【26日】アベンジャーズ  エンドゲーム

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※インフィニティウォー、アントマンワスプ、キャプテンマーベルのネタバレあります。

 

間違いなく、これが今月の目玉作品ですね。

マーベル・シネマティック・ユニバースMCU)22作目の作品であり、10年以上続いたシリーズに一旦区切りをつける節目の作品でもあります。

 

ファンがこの作品に寄せる感慨は、どれほど大きいことでしょう!

2008年の「アイアンマン」から始まり、ロバート・ダウニー・Jr.のアイアンマンや、クリス・エヴァンスキャプテンアメリカを応援し続けてきた人たちにとって、この作品で一時代が終わると言っても過言ではありません。

相当数の人たちが26日有給休暇取得してるだろうな。私もその一人。歴史に刻まれる瞬間をこの目で確めたいと思います。

 

さて、この映画において私が気になっていることは大きく分けて2つあります。

まず1つ目は、「誰がサノスを倒す切り札になりえるのか?」と言うこと。

現在の有力候補は、「インフィニティウォー」から現在までに公開されたMCU映画の主人公2人、アントマンキャプテンマーベルです。 

アントマンはちょうど指パッチンのとき量子世界へ行っていて、悲劇を免れていますし、キャプテンマーベルはニックフューリーが消える寸前にポケベルで呼び出すまで、地球外にいました。

そんな、インフィニティウォーでは不在だった二人がサノスを打破する切り札になる可能性は非常に高いでしょう。

アントマンの量子世界はまだまだ解明されておらず、無限の可能性が眠っていますし、キャプテンマーベルはそもそもインフィニティストーンの力を宿したヒーローですから、この説の信憑性も高いと思います。

 

あとは、不在だったヒーローといえばホークアイも今作で戻ってくるのですが、彼は……サノスを倒す役目は演じないでしょうね?

 

それから、2つ目に気になっていることですが、「消えたヒーローたちは戻ってくるのか?」ということ。

多くの人が度肝を抜かれるほど多くの犠牲者を描いたインフィニティウォー。

フェイズ1で登場したヒーロー(初期アベンジャーズ)以外はほとんど失われてしまいました。

彼ら、戻ってこないと「スパイダーマン ファーフロムホーム」も「ガーディアンズオブギャラクシー3」もできませんよね?

なので、なんらかの形で戻ってくるのは確実だと思うのですが、一体どうやって生き返るのか。

違う形で死んだあの人やこの人もしっかり戻ってくるのかということ。

ヘイムダルとかも生きててほしいんですが……なんとか、なんとかお願いします!

 

消えてしまった彼らが全員助かるとなると、むしろ消えなかった初期メンバーたちの命がどうなるのか心配になります。

シリーズからの引退を表明していたクリス・エヴァンズ演じるキャプテンアメリカは?  死亡フラグが立ちまくっている(ように見える)アイアンマンは?

どちらかが死んだりしないでしょうか。世代交代のために犠牲になったりしないでしょうか……。

 

もうこれ以上のつらい思いはしたくないので、一応覚悟はしていきます

でも、見た後に衝撃と切なさで座席から立ち上がれなくなってしまうくらいのことはあるかもしれない。

 

皆幸せになってくれたらいいな。

ヒーローたちがどんな決断を下すのか、とても楽しみにしています。

 

 

【26日】バースデー・ワンダーランド

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近年のアニメ映画の勢いは、やはりこれまでと比べて増してきていて、特に「君の名は。」を筆頭としたオリジナル作品群がすごいです。

テレビアニメの劇場版ではなく、監督の作家性が表出したオリジナル作品が作りやすくなってきている状況は、喜ばしいことだと思います。

 

大人気の新海誠監督「天気の子」湯浅正明監督「きみと、波にのれたら」なども今年公開されますが、忘れちゃいけない原恵一監督の最新作。

 

原恵一さんといえば、私にとってはクレヨンしんちゃん」劇場版の監督・脚本を担当された偉大な方だという印象が強いです。

オールタイムベストムービーの話では必ずと言っていいほど名前が挙げられる「オトナ帝国の逆襲」や、実写でリメイク映画化された「アッパレ!戦国大合戦」なども原さんの作品です。

私は暗黒タマタマが好きかな……。

さらに、「河童のクゥ」「カラフル」「百日紅など、落ち着いた雰囲気の名作を多く世に送り出しています。

見てないんですが、実写作品「はじまりのみち」も監督されていて、これも評判がいいですね。

新海さん・湯浅さんに比べると名前が売れていませんが、間違いなくこれからの日本アニメ映画界を支えていく方の一人だと思います。

 

ストーリーは、柏葉幸子さんの児童小説「地下室からのふしぎな旅」を原作としています。

主人公は自分に自信のない少女・アカネ。彼女の誕生日前日に大錬金術師とその弟子が現れます。

骨董屋の地下室から続くワンダーランドに飛び込んだアカネは、救世主となって、"色が消えてしまう"危機から人々を救うことができるのでしょうか。

日常からいきなり異世界に飛び込む展開は、2002年のジブリ映画「猫の恩返し」を彷彿とさせますが、「錬金術師」「色が消える」「自信のない少女」など、これまであまり目にしなかったようなワードが満載なので、仕上がりは全然別物になりそうです。

 

個人的に楽しみなのは声優陣の演技。

主人公アカネは、勝手にふるえてろ」「万引き家族」で我々の心に釘を刺していった松岡茉優さん。

その他にも、麻生久美子さん、杏さん、クレヨンしんちゃんつながりで矢島晶子さんや藤原啓治さんなど、かなりの豪華キャストです。

何より大錬金術師のヒポクラテス役は、「ナイトメア・ビフォア・クリスマス」「ミュウツーの逆襲」で既に声優としての偉大な実績がある、市村正親さんが務めるということで、そんなの見るっきゃないじゃないですか。

 

「エンドゲーム」と同日公開なので、はしごするにしても見る順番はよく考えたいですね。

選択を誤ると大惨事になりそうなので……!

 

 

3月鑑賞報告&ランキングベスト5

3月の劇場観賞作品は17本

  • バジュランギおじさんと、小さな迷子
  • アンフレンデッド ダークウェブ
  • グリーンブック
  • 映画ドラえもん のび太の月面探査記
  • スパイダーマン スパイダーバース
  • 運び屋
  • シンプルフェイバー
  • ウトヤ島、7月22日
  • 君は月夜に光り輝く
  • 翔んで埼玉
  • キャプテンマーベル
  • ちいさな独裁者
  • ビリーブ 未来への大逆転
  • ブラッククランズマン
  • 大脱出2

 

3月は見たい作品がかなり多く、見逃してしまってるものがいくつかあります。

春休みに向けた大作系日本映画や、アカデミー賞関連作など、いつにも増して劇場が混み合い盛り上がっていた1ヶ月だったんじゃないかと思います。

 

個人的に嬉しかったのは、諦めていた「ちいさな独裁者」のモノクロ版を鑑賞できたこと。

日本ではカラーで公開されたのですが、オリジナル版と同じくモノクロでの上映を求める声が多くあったために、急遽新宿武蔵野館が対応してくれました。

映画ファンたちの声がしっかり映画館の運営者に届き、それに応えてもらえる環境は恵まれていると思います。

新宿武蔵野館、今後もやっぱり通い続けます!

 

それから、「グリーンブック」に始まり「ブラッククランズマン」で終わる1ヶ月でもありました。

アカデミー授賞式でスパイクリー監督が憤ってみせたことで、どうしても並べて語られる二作ですが、「ブラッククランズマン」を鑑賞してつくづく比較されてしかるべきだと思いました。

比較しないと見えてこない良さや、問題点があるということは、盲目に作品を絶賛してしまいがちな自分にも言い聞かせたいと思います。

正直アカデミー作品賞は「グリーンブック」よりもふさわしい作品があったのではないかと今は思っていますが、「グリーンブック」が受賞したことで改めて深く考えてみることができたのも確かです。

あの時スパイクリー監督が激怒しなければ、ただ「良い作品」としてグリーンブックを消費して終わっていた。

「グリーンブック」を良い作品だと思わないわけではなくて、映画として非常に完成度が高く万人に好かれる良い映画だと思うのですが、それとこの映画が批判されていることについて認識し重く受け止めることは両立できると考えています。

きっとこれからも、この二作は合わせて思い出す機会が多そうです。

 

 

1月劇場鑑賞作品ベスト5

さて、1月のベスト5は以下の通りです。

 

  1. ウトヤ島、7月22日
  2. ちいさな独裁者
  3. ビリーブ 未来への大逆転
  4. ブラッククランズマン
  5. バジュランギおじさんと、小さな迷子

 

偶然、社会的な問題提起を含む作品ばかりになりました。

映画を繰り返し見ていく上で、描かれる社会問題について「自分の意見と照らし合わせながら考える」ということが可能になったため、以前と比べるとこういう作品を楽しむ素養が身についてきたなと感じます。

 

1位:ウトヤ島、7月22日

一時間半長回しのハンディカメラの映像で、実際に起こった凄惨な大量殺人事件について見るという体験は、忘れられないものです。

丁度ニュージーランドでモスクを狙った事件が起きたばかりでしたし、過激な思想が持つ危険性を、映画を通して目の当たりにしたのはかなりショックでした。

日本だって全然他人事ではなく、同じような差別的な言説で殺人が起きうる可能性はあると思っています。

なぜ起こってしまったのか、どうしたら防げるのか、私たち一人一人が考えていかなければいけない。

その問題提起を、事件からそれほど日が経っていないのに、勇気を持って映画として届けてくれたことに敬意を表したいと思います。

 

2位:ちいさな独裁者

権力を隠れ蓑にしたちっぽけな一人の青年が、恐怖から免れるためなら、どれほど残虐非道な態度を取れるかを描いた恐ろしい作品です。

この映画が怖いのは、そこにいたのが主人公以外の他の誰であっても、同じ心理状態になりうるというところです。

自分も殺されるかもしれないという極限の緊張状態の中、痛めつけるべき存在を目の前に置かれたら、誰しも引き金をひいてしまうかもしれない。

止められなくなった歯車が巡りめぐって、私たちの生きる現代と接続するようなラストには「帰ってきたヒトラー」を思い出しました。

 

3位:ビリーブ 未来への大逆転

女性をエンパワメントする映画が増えている中でも、特に直接的な女性差別を描いた作品だと思いました。ちょっとキツかった。

でも、ルース・ベイダー・ギンズバーグという女性の存在や偉業を知れたこと、"社会のルールより先に人々の考え方から変わっていくこともある"と教えてもらえたこと、どちらをとっても貴重な映画体験だったと思います。

母娘がタクシーに乗る前のシーンが特に最高。

私たちが闘うのは、未来の誰かのためなんだと強く実感した瞬間でもありました。

 

4位:ブラッククランズマン

ラストの展開が賛否分かれているようで、ダメだった人には"せっかく物語として楽しんでいたのにラストで突然怒られたみたいな感じでひいちゃった"(意訳)という意見が多かったように思います。

メインストーリーがサスペンスとしてよくできているがために、蛇足だと思う気持ちはなんとなくわかる。

でも、それを言うならメインストーリーの間もずーっと、ユーモアのあるシーンでもずっと、スパイクリー監督の強い怒りが表れ続けていた映画だったと私は思います。

小さな窓の外から黒人差別的なシーンのある映画を、影を帯びた顔で睨み付けるロンの顔が忘れられません。

最初から最後まで、ラフに笑う心の奥底で、"許すまじ許すまじ"と唱え続けているような映画でしたよ。

「怒り」はやみくもにぶつけられると腹が立ちますが、正統な怒りは見ていて勇気をもらえるもの。

「ブラッククランズマン」好きな映画です。

 

5位:バジュランギおじさんと、小さな迷子

やっぱり、インドの映画はすごいです。

「パッドマン」の時も思いましたが、メッセージにパワーがある。

それは、この映画が公開されたことで、何かが変わるんじゃないかと思わされるような、大きな力です。

 

この作品で描かれるのは、違う神を信じていても、お互いを信じ合えるということ、そして真っ直ぐ不正をせずに暮らしていたら味方は後からついてくるということです。

クライマックスのシーンなんて、見ている人全員が鼻を真っ赤にしてグズグズ言ってました。

もちろん私も目が溶けそうなくらい泣きました。見れて良かったです。

 

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というわけで、4月の見たい映画14本の紹介と、3月の鑑賞報告でした。

正直12日と19日の公開作がエグいくらい多くて、いくらGWが長いとはいえスケジュール組みに苦戦しそうです。

しかも、ほぼ全部見逃したくない映画ばかりで、「行けなかったらソフトスルーでいいか」系の作品がありません。

家族や友人との約束の合間に、なんとかうまく全部回収したいと思います。

 

こんなこと言いながら楽しみでたまらないんですけどね。

それでは良い平成を~。