たたかうたぬき

映画の感想メイン。読書、生活、カルチャー。

3月公開予定の映画で楽しみにしているもの15選+2月鑑賞報告

ブラッククランズマンポスター

 

こんにちは。たぬき(@tada11110)です。

2月25日のアカデミー賞授賞式、今年も大盛り上がりでしたねえ。楽しいTLが追いきれなくて悔しかったので、来年は有給を取得して張り付こうかなと今から考えてます。

 

前日に「ROMA/ローマ」を見てひどく感動し、アルフォンソ・キュアロンの親戚みたいな気持ちになっていたので、ROMAが作品賞を逃したときはつらかったです……! でも、監督の個人的な想いが込められた作品だと思うので、監督賞を受賞したのはとても良かったですね。

他にも好きな映画見たい映画がたくさんノミネートされましたが、そのうちのいくつかは3月公開になるので、もちろん見に行きたいと思います!

 

というわけで3月公開の見たい映画を15本紹介します。今月は多いぞ~。

 

3月公開予定の見たい映画15選

【1日】グリーンブック

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アカデミー作品賞を受賞した「グリーンブック」が早速公開されます。公開前に試写を見た人たちから高い評価の声が聞こえてくるので、しばらく前から楽しみにしていた作品でもありました。

思った以上に笑えるコメディだった!というような感想も見ましたが、監督が「愛しのローズマリー」「Mr. ダマー」を撮ったファレリー兄弟の兄の方、ピーター・ファレリーだと知って納得。ということは、ちょっと懐かしいアメリカンなスラップスティックコメディが見られるのかな、と期待してます。

 

しかし期待が高まる一方で、差別的だと批判を受けている作品であるのも事実。あらすじだけ読むと、立場の違う白人と黒人の男性が差別を乗り越えて友情を育むという物語なので、全く問題ないように思えますが……。

批判を受けている理由は、あくまでヴィゴ・モーテンセン演じる白人男性目線で描かれた物語だから。現実の世界では未だ白人が優位で、物語の中で差別を正して被差別者を守るヒーロー的なポジションを演じるのも白人なら、差別を受けている当事者であるはずの黒人が結局置いてけぼりになってしまうからなんでしょうね。映画を見る黒人たちにとっては、自分たちを苦しめる差別者に対して、黒人の登場人物が主体的に闘ってくれた方が好ましいはずですから。

さらに、マハーシャラ・アリが演じるのは、白人男性が自分の中の差別意識に気づき成長するためだけに配置されたキャラクター(マジカル・二グロ)であるという批判もあります。

 

アカデミー授賞式では、「グリーンブック」の作品賞受賞の瞬間に「ブラッククランズマン」のスパイク・リー監督や、「ブラックパンサー」のチャドウィック・ボーズマンが怒りのリアクションをとったそうですね。

それこそ、黒人やユダヤ人が人種差別団体と戦う映画「ブラッククランズマン」や黒人文化や社会を扱って出演者も黒人で固めたブラックパンサー」「ビールストリートの恋人たち」を差し置いて「グリーンブック」が受賞したことに対して、「結局白人贔屓なのかよ」みたいな思いを抱いてしまうのかもしれません。

もちろん作品賞において争点になるべきは作品の質ですが、これまでアカデミー監督賞を受賞した黒人監督が一人もいないことを考えると、歴史の積み重ねゆえに過敏になる気持ちもよくわかる気がします。

 

「グリーンブック」がどんなに素晴らしい作品だと思っても、今回上がったこの批判のことは忘れずに胸に留めておきたいと思います。

 

【1日】映画ドラえもん のび太の月面探査記

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毎年恒例、春の子供向け映画祭り2019年の第一弾はドラえもんですね!

SNSでは宣伝ビジュアルが詩的で感動するということでかなり話題になってます。特に、スネ夫が橋の上から川を眺めるイラストに「大人のフリが上手な人が、大人なだけだよ」というコピーがついたものが人気ですね。ドラえもんのキャラクターたちの姿は、否応なしに日本人の心に懐かしさを呼び起こしますから、余計に盛り上がっているんだと思います。

ポスタービジュアルが話題になるだけでなく、見に行く人も増えるといいですね。ちなみに私は話題になってるエモいビジュアルではなく、以下の直球なビジュアルの方が好きです。

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今回脚本に初挑戦したのは人気作家の辻村深月さん。自らの作品タイトルにドラえもんの道具を引用するほどのドラえもん好きだそうです。

物語の内容は、「月にはウサギがいる」と言って笑われたのび太が月にウサギ王国を作るというもの。自分たちがゼロから作り上げた王国で起こるスペクタクルというと、1992年に公開されたドラえもん のび太と雲の王国」(泣けます)を思い出します。

あとはウサギのキャラクターといえば1993年のドラえもん ブリキの迷宮」のコイツを思い出したり。

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(ちょっと怖い)

どっちにしろ名作なので、似た雰囲気の今作にも期待しちゃいます。大人の特権として仕事終わりにレイトショーで行っちゃおうかな。

 

【8日】運び屋

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現在88歳のクリント・イーストウッド、なんとも速いペースで新作公開です。「15時17分、パリ行き」から約1年。ここ十数年はほぼ1年1本ペースで新作を撮っています。しかも今作では主演も兼任。スピルバーグといい、おじいちゃんたち働き者すぎますよ……!

 

最近のイーストウッド作品はほとんどそうですが、今回も実話を題材にしているそうです。 90歳で大量のコカインを運んでいた孤独な老人の話。ミリオンダラー・ベイビー」や「グラン・トリノ」でイーストウッドが演じた「孤独」な男と通ずるところがありながら、加えて避けようのない「老い」や「死」を感じる主人公です。

本人が88歳で作中でも90歳を演じているのだから当たり前なのですが、ガリガリの腕で脅えながら車を運転するイーストウッドの姿には、ちょっとギョッとするものがあります。

 

ブラッドリー・クーパーとは「アメリカン・スナイパー」以来の再タッグですが、私はあの映画ちょっと苦手……なんですよね。うまい映画だとは思うのですが、あまりにもアメリカ的」すぎてノリきれなかった。「アリー/スター誕生」きっかけでブラッドリー・クーパーに対するトラウマができてしまったし……。

でもハドソン川の奇跡」「15時17分、パリ行き」はその年のベストクラスで好きな映画なので、どっちに転ぶかとっても楽しみです。

最近はフェミニズム映画が増えてきて、「女らしさ」を分解して塗り替えるような映画を見る機会が多くなりましたが、イーストウッドの作品は逆に「男らしさのプレッシャーに苦しみながら耐える男たち」の話でもあると思っているので、そういう視点からも楽しみたいと思います。

 

【8日】スパイダーマン:スパイダーバース

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待ってました~! アカデミー長編アニメーション部門を勝ち抜いた期待の作品が早速日本でも公開です。「ヴェノム」エンドロール途中にいきなり本編映像が差し込まれたことでも話題になりましたね。(なんであのタイミングなのかは謎だったけど、本国版からして同じらしい……)

 

私の場合、日本語吹き替え版の予告が公開されたあたりから期待値MAXになりました。宮野真守さんをはじめ声優陣も最高だし、何よりTK from 凛として時雨の「P.S. RED I」という日本版主題歌がカッコいい。(スパイダーバースのために書き下ろされた曲らしいけど、もしかしてこのタイトル、マイルズから見たピーター・パーカーのこと……!?)

スパイダーマン関係の映画は今作の前にも「ホームカミング」「ヴェノム」と日本版主題歌が作品の雰囲気とマッチして効果を発揮しているパターンが多く、良い傾向だなと思います。「スパイダーバース」も、あの主題歌のおかげでアメコミ無関心層が心動かされて、劇場に足を運びそうだと感じましたもん。

 

製作は「レゴムービー」「ブリグズビー・ベア」のフィル・ロード&クリストファー・ミラーということで、いやもうそんなの面白くないわけがないじゃん。加えて3月末にはその「レゴムービー」の続編が公開になるって、なんのご褒美ですか? ちなみに私はコンビが製作した映画の中だとコウノトリ大作戦」と「スモールフット」が好きです。他のも全部面白くてハズレがないですよね。

 

今作で主人公を務めるのはいつものピーター・パーカーではなく、マイルズという黒人の少年。アメコミ原作ではピーターの後を継いで2代目スパイダーマンとして活躍しているキャラクターです。

 

もちろんピーターも登場するみたいですし、今回のストーリーのポイントは、別の世界線から来たスパイダーマンたちが6人も集結すること。有名なスパイダーグウェンもいれば、ロボットや豚?のマスコットなどバリエーション豊か。彼らがどんな風に活躍するのかもとても楽しみです。

 

【9日】マイ・ブックショップ

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イギリスの文学賞ブッカー賞を受賞したペネロピ・フィッツジェラルドの小説を、イザベル・コイシェという女性監督が映画化した作品です。主演は「メリーポピンズ リターンズ」で、バンクス家の長女ジェーンが大人になった姿を演じたエミリー・モーティマーさん。すごく優しい顔つきをした女優さんで、親しみが持ててとても好きです。

 

物語の舞台は1959年のイギリス。主人公フローレンスは、亡き夫との夢だった書店を開業し、本を売ろうと奮闘します。しかし、女性が開業することは一般的ではない時代の話なので、フローレンスは想像以上の努力を強いられるようです。

 

原作・監督・主演がすべて女性の映画が公開されるのは、正直言って未だに珍しいことだと思います。記憶に新しいものだと、「メアリーの総て」あたりでしょうか。私も女性なので、ヒステリックでも無知でも男性の所有物でもない、1人の人間としての女性が頑張る物語は嬉しいし、応援したいと思います。

 

あとは、この映画は書店を巡る物語なので、見終わったあとにすぐ本が読みたくなるような、本の魅力を最大限伝える作品であることを期待します。

 

【15日】君は月夜に光り輝く

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今月は見たい邦画が少なくて、これが唯一の選出作品です。「君の膵臓を食べたい」の監督&主演コンビの再タッグということで、見逃せません。

 

月川翔さんは、昨年センセイ君主」が映画ファンの間で相当話題になった上に、直後に公開された「響」も見た人の間で好評価を得るなど、実績を積んできている監督です。残念ながら私はまだ上の二作を見れてないのですが、「膵臓」は日本のティーンムービーに対する印象が変わるほどの名作だと思ってます。

 

そんな、腕のある月川翔監督の最新作だっていうのに、予告編の雰囲気だけで下に見られる風潮が信じられない……。確かに「余命ゼロ」はパワーワードですけど、話題になるほどインパクトのあるセリフってことじゃないですか。

 

若い男女が恋に落ちる(大抵ドタバタ学園ラブコメか、どっちかが難病で死んでしまう)映画は、"ジャンルものムービー"だと思っています。

ゾンビやモンスターパニックものもそうですが、ジャンルものにはお約束が付き物。ゾンビは走らないし、噛まれたらゾンビになる。ショッピングモールに行ったり、カップルが早めに殺されたりするのもあるあるです。

それと同じで、日本のラブストーリーティーンムービーは、寿命わずかだったり愛を大声で叫んだりするのがお約束なのです。「こうきたらこう」という型があらかじめ決まっているからこそ、そこから逸脱するのかしないのかが面白いポイントになる。

 

だとすると「余命ゼロ」ってつまり、「ゾンビが走る」と同じなのかもしれません。本来歩くものであるゾンビが走る予想外と、寿命わずかどころかゼロ!?という予想外は、どちらもジャンルからの逸脱です。

最近の恋愛ティーンムービーは、逸脱したものは評価されるし、型に甘んじて付加価値をつけなかったものは淘汰されるのです。……って考えたら面白くないですか?

 

正直私もあまり恋愛系は普段見ないのですが、機会があれば積極的に見ていきたいとは思っています。北村匠海さんが好きっていうのもあります! 行きます!

 

【15日】キャプテン・マーベル

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長く続いたMCUの一区切り、アベンジャーズ  エンドゲーム」まで残り2ヶ月を切ってしまいました。ソワソワとワクワクが止まりませんよね。もちろん有給とりますよ。初日鑑賞しますよ。

しかしまだ焦ることなかれ。「エンドゲーム」の前に「キャプテン・マーベル」が控えてますから!

今作の展開によっては、ブリーラーソン演じるキャプテンマーベルが、サノスとの最終決戦においてキーパーソンにもなりえると思います。これを見ずにエンドゲームへ臨むことはあってはならないことです……。

 

ところでブリー・ラーソンといえばアカデミー主演女優賞を獲った「ルーム」以降、「フリーファイヤー」や「キングコング 髑髏島の巨神」なとで"つよい"姿を見せつけてきました。そして今回の「キャプテン・マーベル」では、"最強"となって我々の前に現れるのだと思うと、興奮が収まりません。

そしてついにMCU参戦となる、ダンブルドア先生ことジュード・ロウ。このユニバースの主人公が相棒のシャーロックホームズであることを思えば、遅すぎる登場にも思えますね 笑

 

今回の舞台が1995年っていうのも気になりますね。普通に考えれば、サノスが人工の半分を消し去った時には彼女は50歳以上になっているはず。MCUヒーローを演じる俳優さんたちには50歳オーバーの人も多いので、女性ヒーローでそのくらいの人がいたっていいと思いますが、その場合ブリーラーソンじゃなくて別の女優さんで参戦になるのか? そもそもなんで過去の話?

今後サノスを打ち負かすための鍵が、この設定に隠されていると思えてなりません。インフィニティストーンの存在を認識していた、シールドのメンバーであるニックフューリーやコールソンが出てくるところにも何かありそう。しかも若くCG合成されてる。

 

前作「アントマン&ワスプ」も、エンドゲームへ続く重要な作品だったので、今回ももちろん布石があると見て間違いないでしょう。今のところ1ヶ月に1~2作アメコミ映画が公開になってるすごい年だぞ今年は。(ミスターガラスも入れてます)

 

【22日】ブラッククランズマン

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アカデミー授賞式に全身紫のステキな衣装で登場し、脚色賞をとったときに友人のサミュエル・L・ジャクソンに飛び付いて喜んだスパイク・リー監督の最新作がこちらです!

スターウォーズ」シリーズで、カイロ・レンという人気キャラクターを演じるアダム・ドライバーの最新出演作でもあるということで、前々から楽しみにしてました。しかもあの異色ホラーコメディゲット・アウト」の製作陣まで揃えてきてるって、つまらないわけがなさすぎる。

 

1979年、初の黒人警察として採用された主人公役にジョン・デビッド・ワシントン。彼はデンゼル・ワシントンの息子です。

物語は、黒人である主人公がアダム・ドライバー演じる白人(ユダヤ人)の相棒と一緒に、KKK」という白人史上主義団体に潜入するというもの。あらすじだけでも「一体どうやって……?」って思いますが、どうやらこの作品ノンフィクション小説を原作にしているらしいです。すっごいな。

白人警官に囲まれて、激しい差別を受ける中で手柄を得て見返したい主人公は、勢いでKKKに電話をかけ、なんと入団。そこから電話口では主人公、実際に本部に出向くのは相棒、という危うい捜査が始まるのです。

 

KKK」といえばカラーコーンのような細長い三角の被り物で有名ですね。ポスタービジュアルにもそのマークが写っています。もしかしてこれを被って、主人公が本部に乗り込んだりしちゃうんでしょうか……!

 

「白人の自己満足的」と批判される「グリーンブック」が作品賞を受賞した際、ものすごく怒って会場から立ち去ろうとしたスパイク・リーが描く、黒人差別団体と黒人との闘い。どういった着地に終わらせるのか、予想もつかなくて楽しみです。

間違いなく今月ナンバーワンの期待作ですね。早く見たいな!

 

【22日】バンブルビー

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実はずっと見たことのなかったトランスフォーマーシリーズ、このバンブルビーを見るために、まず1作目を鑑賞しました。2007年の「トランスフォーマー」ですね。


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浅い知識でてっきりオプリティマス・プライムがメインキャラクターだと思っていたのですが、この1作目ではむしろバンブルビートランスフォーマー側の主人公で、人間側の主人公と最初に出会う非常に重要なポジションのキャラクターだったのが意外でした。「バンブルビー」は脇キャラのスピンオフだと思ってたので。

あと、アニメの印象が強かったので"コンボイってキャラがいる"と認識していたら、オプリティマス・プライム=コンボイなんだとわかって、それもびっくり。

 

バンブルビートランスフォーマーの中でも、けっこう感情豊かで表情がコロコロ変わるキャラなのですが、モデルはマイケル・J・フォックスらしいですね。あ~~、若い頃のね。「バックトゥーザフューチャー」の頃とかのマイケル・J・フォックスでしょうね。

 

今作はそんなバンブルビーが、シリーズ一作目でサムと出会う前の前日譚となります。1980年代、1人の少女が黄色い車のトランスフォーマーに「バンブルビー」と名付けるところから物語は始まり、ロボットと女の子は数奇な運命に巻き込まれていくようです。

 

監督はライカスタジオの傑作「KUBO」を産み出したトラビス・ナイト監督トランスフォーマーシリーズをマイケル・ベイ以外が監督するのははじめてのことです。否応なしに期待が高まります。

ちなみにトラビス・ナイト監督のお父さんはフィル・ナイトという人で、スポーツブランドの「ナイキ」を作った人らしいですね。そのプロモーションなどでトラビスさんも日本に訪れる機会が多く、日本のカルチャーに親しんだという話を聞きました。KUBOが産まれる背景にはそんな逸話があったんですね。

 

主演は女優としても歌手としても活躍するヘイリー・スタンフェルド。「スウィート17モンスター」で主演を務め、「ピッチパーフェクト」にも出演してます。

 

なんにしろ……あと4本前作を予習してから挑まねば……!  トランスフォーマーシリーズは一本一本がが長くて大変なんですが、なんとか鑑賞日までには予習したいです。

 

【22日】ビリーブ  未来への大逆転

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1970年代アメリカで実際に行われた、史上初の男女平等裁判を描いた作品です。女性弁護士への風当たりが強い中で諦めずに闘った、実在する人物ルース・ギンズバーグを「スター・ウォーズ ローグ・ワン・ストーリー」のフェリシティ・ジョーンズが演じました。

 

女性が「男女平等」のために立ち上がったと聞くと、つい同じ女性の権利向上のためかと思い込んでしまいますが、実は彼女が裁判を争うのは「男性の権利獲得」のため。夫のマーティンが母親の介護補助担当として認めてもらえなかったことがきっかけで、ルースは弁護士として彼のために立ち上がるのです。男性だって肉親を介護するために仕事を休み力を注いでいいじゃない!と。

 

フェミニズムをテーマにした映画は、まるで自分たちが敵扱いされたり阻害されているように感じて、忌避感を抱く男性も多いんじゃないかと思います。でも、女性が性別でレッテルを貼られ特定の役割を押しつけられる社会では、男性だって他の役割を押しつけられたり、女性のものとされる役割を奪われることがあるはず。

もちろん「男性が上で女性が下」という社会構造にはきっぱりと異を唱えて男性側にもその責任を問うた上で、男性も性別役割意識によって被害を被っていて、その意識を解消することこそが、男女に共通の課題だと考えることは誠に建設的だと思います。

この映画はわかりやすく「男性も"男らしさ"を押しつけられている」と問題提起しているんだと思うんですが、そういう作品って今のところ恐らく珍しいです。構造的には見えづらいけれども、確かにそこに"息苦しさ"は存在している。女性差別の撤廃を進めていく上でも、その点に目を向けるのは必要なことかなと思います。

 

裁判の争点は男性の権利についてだとしても、主人公のルースは女性だからという理由で社会から圧力をかけられて苦労する。やはり差別は女性の活躍を激しく阻みます。女性が権利を奪われ虐げられる中で、そのシステムに絡めとられ苦しむ男性もいる。手に手を取り合って男女が一緒に立ち向かうことは、綺麗事のようですが理想的な選択肢でもあります。そういった多面的な側面を誠実に描いた映画なのだとしたら、嬉しいです。そうであってほしい。

 

ちなみに夫のマーティンを演じるのは、「コードネームU.N.C.L.E」「君の名前で僕を呼んで」のアーミー・ハマー。本編中でエプロンを着ている姿なども見られるようです。ますます期待ですね。

 

主人公のモデルとなったルース・ベイダー・ギンズバーグについては、先日のアカデミー賞長編ドキュメンタリー部門にノミネートされた「RGB」でも取り上げられているようです。まだ日本では見られなそうですが、Netflixとかに来ないかな~。

 

 

【29日】記者たち  衝撃と畏怖の真実

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イラク戦争を始める大義名分となったイラク大量破壊兵器を隠し持っている」という情報について、疑問を持って調べ始めたアメリカの記者たちの物語です。

 

監督はスタンド・バイ・ミー」のロブ・ライナーで、自身が出演もしているようですね。ほか「スリービルボード」「ハン・ソロ」のウッディ・ハレルソンに、ミラ・ジョヴォヴィッチトミー・リー・ジョーンズなど、骨太なキャスティングが揃ってます。

私が注目したいのは主人公格でウッディ・ハレルソンと肩を並べるポジションの、ジェームズ・マースデン。わかりやすく説明すると、魔法にかけられて」のバカ王子や「X-MEN」のサイクロプスの人といえば、映画ファンの皆さんはピンとくるでしょうか。今まで"一体歳はいくつなんだ……"と感じる役が多かったので、いかにも中年然とした今回の役柄は新鮮です!

 

記者たちが追う「イラクには本当に大量破壊兵器が存在するのか」という疑念ですが、史実ではイラクから兵器は結局発見されていません。しかし、アメリカ国民も国内のメディアたちも、大量破壊兵器の存在を疑わず、2011年にバラク・オバマ大統領が終戦宣言をするまで不毛な闘いが続いていたのです。

そんな歴史を知った上だと、この映画の主人公たちがどんな真実に気付き、どこまでそれが明らかになるのかが気になりますよね。

それにしても、メディアが取り上げない政治の嘘を映画作品にするというような試みが、日本でも一般的になればいいのになあという意識を持って見たいと思います。

 

【29日】大脱出2

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2013年に、アーノルド・シュワルツェネッガー&シルベスタ・スタローン2大スターのランデブー映画「大脱出」が公開されてから6年。ついに「大脱出2」が公開です!

またもやシュワちゃんとスタローンのいちゃいちゃ逃避行が見られるのかと思いきや、今作にはシュワちゃんの名前はクレジットされていないようです。残念。まあ、前作もダウンタウンとんねるずがテレビで共演したときみたいなレア感だったので、仕方ないかもしれませんが。

ああ、まだエクスペンタブルズを見てないんだよな……。そっちは、まるで2大スターに加えてウッチャンナンチャンナインティナインも来ちゃった、笑っていいとも!の最終回のようなお祭り映画なので、早急に見なければ。

 

では今作でスタローンの相棒を務めるのが誰かといえば、ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」でデリカシー欠如おじさんドラックスを演じてるデイヴ・バウティスタです。はじめましてが全身青色だったので、素の状態での映画出演を見ると、未だに違和感を抱いてしまいます。ブレードランナー2049」の役とかも良かったですよね。

 

で、もちろんスタローンが演じるブレスリンは脱獄のプロフェッショナルなので、今回も脱獄不可能と言われる場所からの脱出がミッションです。どうやら仲間の1人が「ハデス」という最強最悪の監獄に閉じ込められ、それを救うためにブレスリンが立ち上がるっぽいですね。

 

前作が「細けえこたあいいんだよ! カッコよければな!」って感じの大お祭り映画だったので、続編にはさらなるブチ上げを期待してしまいます。「クリード」のような世代交代も泣けますが、やっぱりスタローンは生涯現役。カッコいい姿を見れるのが楽しみです。

 

【29日】ダンボ

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1941年に公開されたディズニーの名作アニメーション映画「ダンボ」を、「チャーリーとチョコレート工場」「ミスペレグリンと奇妙な子供たち」のティム・バートン監督が実写映画化した作品です。

 

改めてティムバートンのフィルモグラフィーを見ると、ぶれない世界観の持ち主だなあと感じます。「ナイトメア・ビフォア・クリスマス」の製作・原案から、「ジャイアントピーチ」「マーズアタック」「ビッグフィッシュ」と続いて、「猿の惑星」リメイクや「チョコレート工場の秘密」の映画化ですもんね。一貫しておとぎ話のエグみと美しさを描き続けている監督だと思います。

ジョニー・デップ主演の映画を量産してるあたりの頃は"大丈夫かな?"と思いましたが、珍しく実在の人物をモデルにした「ビッグアイズ」、そして原点回帰の印象を受ける「ミスペレグリン」で完全復活したと思ってます。

 

「ダンボ」は子供向けアニメーション映画とはいえ、映画ファンからの評価が高く、頻繁に話題に上がる作品ですよね。私は未見ですが、空を飛ぶ子ゾウと色彩鮮やかなサーカスの風景が幻想的だとか。「トラウマ……」なんて声も聞きますけどね 笑

先に1941年「ダンボ」も見てから劇場へ出かけたいと思ってます。

 

出演は「ミスペレグリン」から引き続きエヴァ・グリーン。同じく出演しているコリン・ファレルもそうですが、二人ともファンタジー作品との親和性が高すぎる。ビジュアルにファンタジー世界の登場人物としての説得力があります。

ここで触れておきたいのは、もはや悪役常連俳優となってきているマイケル・キートンバットマンを演じていた栄光の時代があり、"かつてヒーロー映画の主演だったのに今や落ちぶれた俳優"という自身のパーソナリティーとリンクした映画「バードマン」でアカデミー賞を獲り、最近では「ファウンダー」や「スパイダーマン ホームカミング」で不敵な笑顔の悪人を演じるようになった人。今作では……


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あ、これは明らかに悪役ですね。わかります。

ここで面白いのは、マイケル・キートンを一躍有名にしたビートルジュース」も「バットマン」も、ティム・バートンが撮った映画だということですね。今作でバートン作品に返り咲くマイケル・キートンの演技に、一番期待したいと思います。

 

【29日】レゴ(R) ムービー2

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「すべてはサイコー!」でお馴染みの皆大好きレゴムービーが帰ってくる! 製作・脚本は引き続きフィル・ロード&クリストファー・ミラー。「スパイダーマン スパイダーバース」と合わせて今月2本目です。彼らは一体何回、我々オタクの心を奪えば気がすむの??

 

主人公エメットの声を当てるのは、前作から変わらずガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」「ジュラシック・ワールド」のクリス・プラット。日本語吹き替えも森川智之さんが続投です。バットマンの声はもちろん山ちゃんこと山寺宏一さん。「レゴバットマンムービー」や「ニンジャバットマン」でもずっと山寺さんが演じてるので、このキャスティングは欠かせないですね。

出演者について調べていて見つけてしまったあの俳優さんの名前と演じる役名……まさかあの人があのキャラの声を当てるなんて、タイミング的にも話題性バッチリじゃん……! キャラクターの名前を出すだけでネタバレになりそうなので、各々劇場で誰が出演するのか確認してみてください。

 

今作で問題となるのは、前作のラストで登場した"街をめちゃくちゃにする宇宙人"の存在。作中で人間エメットくんの妹が正体だとすでに明かされているのですが、そこからどうお話が展開するのでしょうか。前回は父子の和解がテーマだったし、今回は妹との和解、そして兄としての自我の目覚めがテーマかな。

女の子がレゴブロックで遊ぶことについての踏み込んだ答えも描いてくれるとなお嬉しいです。アメリカでは女の子向けのレゴブロックがたくさん発売されて、女の子だってレゴで遊んでいい!という風潮になってきているので。

どうやら「わがままプリンセス」というキャラクターが出てくるようなので、予想が当たるかもしれないな。そうだったら嬉しいです。

 

2月鑑賞報告&ランキングベスト5

2月の劇場観賞作品は15本

それでは、2月映画館で観賞した作品の報告をします。

 

今月は見ごたえあって観賞後も余韻が長く続くような作品が多くて、毎回の満足度が高かったです。特に、ネームバリューのある監督作品や、アカデミー賞ノミネート作を追うのが楽しかったですね。

よく考えると、2016年のアカデミー作品賞ですったもんだあったラ・ラ・ランド」のデイミアン・チャゼル監督と、「ムーンライト」のバリー・ジェンキンス監督の作品が、またもやニアミスしてます。両作とも、今年のアカデミー賞にも各部門でノミネートされていたのですが、うまい具合に評価されるポイントが異なっていたので、胸を撫で下ろしました 笑

 

2月劇場観賞作品ベスト5

さて、2月のベスト5は以下の通りです。

 

  1. ゴッズ・オウン・カントリー
  2. バーニング 劇場版
  3. 七つの会議
  4. ビール・ストリートの恋人たち
  5. アリータ バトル・エンジェル

 

先月はとにかくもう「ゴッズ・オウン・カントリー」にハマった1ヶ月でしたね。鑑賞前に聞いていた評判から、素晴らしい作品なのは間違いないと思っていましたが、それ以上に私の琴線に触れるものが多くあり、忘れられない作品となりました。

もうジョニーとゲオルゲが並んでいる写真を見るだけで胸に熱いものが込み上げてくるレベルです。それほどに真っ直ぐで純粋な愛を描いた作品なので、まだ見てない人にしつこくおすすめしていきたい。3月29日からキネカ大森で公開決まってるみたいなので、まだまだ見れます。見れる人、見に行くか迷ってる人、ぜひ行きましょう!

 

バーニング 劇場版も良かった。村上春樹の過去作を現代を映す鏡のようにアップデートし、日本と韓国に通ずる問題の本質を見せつけてくれる力強い作品でした。

最近いろんなところで言われているように、韓国と日本の文化・慣習には似通った部分が多いため、お互いに当事者性を持って作品を見つめることができると気がつけたのが大きな収穫です。ヘミも、ジョンスも私のようだったし、私の暮らす社会の中に多くいる人たちだった。引き寄せて見ることができたからこそ、ここまで響いたのだと思います。村上春樹作品の方がずっと"not for me"ですね。

 

七つの会議はまさかの個人的大ヒットでしたね~! 池井戸潤原作というと、保守的なおじさんのためのフィクションを連想しがちですが、今作はとてもリベラルな視点を持っていて、安心して見れました。女性の描き方に、リアリティーを伴ったステレオタイプからの解放を感じられたのがすごく良かった。男性性にがんじがらめにされる日本の悲哀を必死で叫んでいる作品でした。大好き。

 

ギルティをいれるかどうか、とても悩んだのですが、ビール・ストリートの恋人たちの色彩やお母さんの「クソッ!しくじった」、アリータの息もつけぬような面白さの連続を思い返して、今回は入れませんでした。

あとからまたやったら評価変わるかもしれないけど。とにかく今月はどれもこれも満足度高かったです!

 

と、いうわけで2月の鑑賞報告と3月の見たい映画15選でした。来月はエンドゲームや10連休が控えてますが、今月もフルスロットルで見ていきたいと思います。

それでは。